30年先を正確に予測するのは誰にもできませんが、すでに動き始めている変化の延長線上で考えると、大きな流れはいくつか見えてきます。今回は、今後30年で、Webサイトの扱い方はどう変わるか?について書いてみようと思います
「人が見るもの」から「AIが読むもの」へ
いまのWebサイトは、人がブラウザで開いて読むことを前提に作られています。しかし、情報の入口は検索エンジンから、AIアシスタントや生成AI検索へ移りつつあります。今後は、Webサイトを訪れる主な読者の多くがAIエージェントになり、人はAIが要約・加工した結果を受け取る形が一般的になると考えられます。
その結果、次のような変化が起こりそうです。
- 見た目のデザインより、構造化データや意味の明確さが重視される
- 検索順位よりもAIに引用・参照されることが成果される指標になる
- Webサイトの運営者は、人向けの表示とAI向けの情報提供を別々に設計する
ちなみにAIOというのは、すでに始まっていますが、人向けとAI向けというのは、少し頭の中を切り分けて考えていく必要がありそうです。
固定ページから動的に生成される体験になる
今は、用意されているWebページを全員が同じ形で見ます。将来は、訪問者の目的・知識レベル・使用デバイスに応じて、その場でページが組み立てられる形が広がると予想されます。
- 同じ情報源から、初心者向け・専門家向け・音声向けなど複数の見せ方が自動生成される
- ページという単位が薄れていき、情報の部品(コンテンツやルール、ブランドなどの方針)を管理する時代になる
- 運営者の仕事は、ページを作ることから、何を正しい情報として提供するかを定義することへ移っていく
運営の大部分が自動化される
たとえば、更新や翻訳、A/Bテスト、表示速度の最適化、アクセシビリティ対応、セキュリティの監視などは、ほぼ自動化される可能性が高いと思います。人間に残る役割は次のあたりではないでしょうか。
- 一次情報(現場取材、独自の知見、実体験)の創出
- ブランドの方向性や倫理的な判断
- 信頼性の担保と責任の所在の明らかにすること
AIが文章を大量に作れるようになるほど、誰が責任を持って発信しているか?本当に現場を知っているか?の価値は相対的に上がるのではないかと思われます。
信頼と認証が中心課題になる
AIで生成されたコンテンツが溢れる世界では、情報の正しさが最大のポイントになります。
- 発信元の認証や、コンテンツを誰がいつ作ったかを証明する仕組みが標準化する
- 個人サイトや地域メディアのような、顔の見える運営者の価値が見直される
- プライバシーやデータの利用許諾、AIによる学習・利用への課金などのルールが整備される
つまり、自動化されたAIコンテンツは、あくまでベース情報であり、正しいことが前提でなくては信頼も認証もできないということになるので、まずは、それが整備されないといけない、ということになります。
「サイト」という概念自体が変わる可能性
30年スパンで考えると、「Webサイト=URLで開くページの集まり」という形そのものが変わっているのではないかと思います。
- 企業や自治体の公式情報が、AIが直接参照するAPIや知識ベースとして公開される
- 人との接点は、サイトではなく、対話・音声・AR/VRなどの多様なインターフェースになる
- それでも自分たちの情報の拠点を持つ必要性は残り、その形が変わっていく
余談:不確実性について
技術の進歩は、予想より速い部分と遅い部分が必ず混在します。例えば、1996年の時点で、スマートフォンやSNS、動画配信が今のような位置づけになると予測した人はほとんどいなかったはずです。あくまで、上記は方向性の仮説として捉え、特定の技術や形式に賭けすぎないことが良いのではないかと思います。
今できること
どの未来になっても通用しやすいと思われるのは、次のような取り組みではないでしょうか。
- 情報を構造化し、機械にも読み取れる形で整理しておく
- 独自の一次情報や専門性を蓄積する
- 特定のプラットフォームに依存しすぎず、自前の情報拠点を持つ
- 運営者の顔や信頼性が伝わる発信を続ける
AIが導けないことは必ず通用します。それが人間の価値であり、AIにはできないことなのです。さて、みなさんは人間側として、どんなことに価値を置いていきますか?
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