日々、多くの中小企業の経営者様や人事担当者様と接する中で、最も切実な課題として挙げられるのが「人材の確保」です。「多額の費用をかけて、デザイン会社にきれいな採用サイトを作ってもらった。社員の笑顔の写真も載せた。しかし、公開から半年経っても、期待したような応募が来ない…」このような話を、これまで何度聞いてきたことでしょうか。
求人媒体に広告費を払い続けることへの疲弊感、そして自社サイトが機能していないことへの焦り。痛いほどよく分かります。ですが、もしあなたの会社の採用サイトが「募集要項のデジタル版」や「きれいな写真集」で止まっているのなら、成果が出ないのは必然かもしれません。
今日のブログでは、なぜ多くの採用サイトが失敗するのか、その本質的な原因と、人材獲得競争を勝ち抜くための戦略的アプローチについてお話しします。
「誰に、何を、どう伝えるか」の戦略欠如
多くの失敗する採用サイトに共通しているのは、デザインの良し悪し以前に、「採用戦略の欠如」が挙げられます。
例えば制作会社に依頼する際、「おしゃれな感じで」「他社に負けない見栄えでキレイに」などと依頼していませんか？
求職者、とりわけ優秀な人材は、デザインの良さだけで会社を選びません。彼らが知りたいのは、「この会社で働くことが、自分のキャリアや人生にとってどんな意味を持つのか」ということです。給与や休日、福利厚生などといった条件はもちろん重要ですが、それだけでは大手に太刀打ちできません。
- 競合他社にはない、自社独自の魅力は何か？
- 具体的にどんな課題を抱えていて、どんな人物を求めているのか（ペルソナ設定）？
- 入社後、どのようなキャリアパスを描けるのか？
- きれいごとだけではない、リアルな社風は？
これらの戦略的骨子が固まらないまま、表層的なデザインや耳触りの良いキャッチコピーを並べても、求職者の心には響きません。結果、なんとなく応募か応募ゼロという結果を招いてしまうのです。
人事戦略から踏み込むWeb構築
弊社は、単なるWeb制作会社ではなく、お客様のビジネスを成長させるための戦略的パートナーです。それは将来的な企業の発展に繋がる、人の採用についても同様にお手伝いしています。
採用サイトのご相談をいただいた際、私たちはすぐにデザインの話はしません。まずは経営者様や人事担当者様と膝を突き合わせ、人事コンサルティングに近い領域からヒアリングを行います。
- 採用ペルソナの定義: 「明るく元気な人」といった曖昧な定義ではなく、スキル、経験、志向性、将来のビジョンまで具体的に落とし込みます。もし、事前にできている場合は、アドバイスをさせていただくことで、さらにブラッシュアップできるかと思います。
- 自社の魅力の言語化: 社内の人間では気づきにくい「御社ならではの強み」を、外部の視点から発掘・言語化します。時には社員インタビューを通じて、現場のリアルな声を拾い上げます。
- 戦略的コンテンツ設計: 定義したペルソナに響くコンテンツを設計します。例えば、エンジニア採用なら技術や開発環境の詳細を、営業採用なら評価制度や具体的な一日の流れを、動画やインフォグラフィックなどを用いて直感的に伝えます。
- 「採用オウンドメディア」への昇華: 単なる募集サイトではなく、求職者が知りたい情報を継続的に発信する「メディア」として運用体制を構築。潜在的な求職者層（今すぐ転職は考えていない層）との接点を作り続けます。
私たちは、サイトを作って終わりではありません。公開後も、アナリティクス分析『Insight Pilot』に基づき、「どのコンテンツが読まれているか」「どこで離脱しているか」を検証し、応募数増加に向けた改善提案を継続的に行います。
まとめ
採用サイトは、企業の未来を左右する重要な経営ツールです。 「デザイン」の前に「戦略」を立てていきましょう。
自社の魅力を正しく伝え、本当に必要な人材と出会うための仕組み作りを本気でお考えなら、ぜひ一度アイ・セプトにご相談ください。まずは現状の課題をお聞かせいただければと思います。
