──「AI×人的サービス」の複合型モデルで生き残るために
AIは、業務の“やり方”を一気に自動化し、企業の競争ルールを塗り替えています。その結果、ソフトウェア単体の価値は下がり、代わりに「導入支援」「業務プロセス改革」「運用代行(BPO)」のような、人間が介在する価値が再評価されはじめました。
ただし、ここで安心してはいけません。AI時代の変化は速く、AIを入れたのに逃げ場がなくなるようなパターンもあると思います。今回は、企業が直面する主なリスクを洗い出し、回避戦略を私なりに書いてみようと思います。
Contents
リスク1.ソフトウェアのコモディティ化
何が起きる?
- 似た機能が短期間で乱立する
- AIが標準装備になり差別化できない
- 月額課金だけだと値下げ競争に巻き込まれる
回避戦略
- 成果が出る運用を商品化する(導入→定着→改善まで)
- ツールではなく、業務フローごと再設計して「替えが効かない状態」を作る
- 「成果連動」にするなら、成果定義と計測設計(後述します)を一緒にする
リスク2.ROIが不明確で、AI導入が“やった感”で終わる
何が起きる?
- PoC(試験導入)から進まない
- 現場が使わず、結局“人力運用に戻る”
- 経営が「次は別のAIで」と乗り換え続けて疲弊する
回避戦略:最初に“成果の型”を決める
AI導入の際は、最初に「どの数字が、どれだけ動いたら成果に値するか?」を決めないと意味がないと思います。
KPIの例(業務系)
- 工数:月◯時間削減
- 品質:ミス率◯%減、差し戻し◯件減
- 速度:リードタイム◯%短縮
- CS:一次解決率◯%向上
KPIの例(売上系)
- 問い合わせ数、商談化率、CVR
- 既存顧客の解約率、アップセル率
- コンテンツ制作本数と獲得効率(1本あたりCPA等)
また「何がボトルネックで、どう変え、誰の意思決定が早くなったか」など言語化すると、継続投資の理由になって良いのではないでしょうか。
リスク3.現場がAIを使おうとしない(頑固)
何が起きる?
- 入力が面倒で、結局いつものやり方に戻る
- 出力の品質が安定せず、現場が信用しない
- 「AIは怖い/仕事を奪う」という心理的抵抗が残る(プログラマなどは、あるある)
回避戦略:AIはツール導入ではなく運用設計であることを意識
- 業務の入口を簡単にする:フォーム化・テンプレ化・既存ツール連携
- 人の役割を明確化:「AIが下書き、人が最終判断」「例外箇所だけ人が処理」など
- 教育は操作説明でなく判断基準を教える(←これ、大事ですね)
リスク4.品質事故(誤情報など)で信用を失う
何が起きる?
- 社内外に誤情報を出して炎上
- 営業資料・契約文・FAQで微妙に違う・・
- ブランド文体(言い回し的な)が崩れて“らしさ”が消えてしまう
回避戦略:人間の批判的検証を仕組みにする
- 検証工程を標準化:事実確認、根拠提示、二重チェック
- 禁止領域を定義:法務・医療・契約・保証文などはAI単独禁止
- ブランドガイド(語彙、敬語、言い回し、NG表現)をプロンプトだけでなく運用としてルール化
リスク5.情報漏えい・機密流出・シャドーAI
何が起きる?
- 顧客情報・未公開情報が外部に出る
- 便利さがガバナンスを上回る
回避戦略:禁止ではなく、安全に使えるルールを決める
- 社内で使える公式AI環境を用意
- データ分類(公開/社外秘/機密)を定義し、扱いをルール化。ガバナンス規定を作成・施行
まとめ
リスクというのは、書き出したらキリがなく・・実はまだまだあるのですが、今回はここまでにしておきます。AIの導入そのものは、この先どんどん簡単になります。だからこそ差が出るのは、導入後に成果が出るまでの設計・運用・改善ではないかと思います。
ソフトウェア単体で戦うのではなく、AI×導入支援×業務改革×BPOで、成果を再現できる会社になる。これが、AI時代の持続可能な生存戦略だと思います。












