先週、X(旧Twitter)やITニュースなどで、楽天の国産AIが、実は中国のDeepSeekベースだったという話題で持ちきりでしたよね。期待が大きかったからこそ、今回の騒動には多くの落胆や厳しい声が集まったのではないかと思います。
この記事では、ITの専門知識がない方にもわかりやすく、今回の炎上の「本当の原因」と、この出来事から見えてくる「今後のAI業界の動き」について整理してみたいと思います。
炎上の本当の原因は「技術」ではなく「見せ方」
発端となったのは、楽天が2026年3月中旬に発表した大規模言語モデル「Rakuten AI 3.0」です。しかし、公開直後に有志のエンジニアたちによって、これが中国のDeepSeek社が開発した非常に優秀なオープンソースAI「DeepSeek-V3」をベースにしていることがわかりました。
ここで大切なのは、DeepSeekをベースに使ったこと自体は全く悪いことではないと思いますし、業界でもごく一般的な手法だと思うんです。では、なぜここまで炎上してしまったのでしょうか?原因はおそらく以下の2点です。
ベースモデルを隠そうとした(ように見えた)不透明さ
発表当初、楽天はベースモデルについて非開示とし、まるでゼロから自社で独自開発した、純粋な国産AIであるかのような印象を与えていました。しかし、公開された設定ファイルの中にDeepSeekのタグが残っていたため、すぐに事実が広まったわけです。
ルール(ライセンス表記)の欠落
オープンソースのAIを利用する際は、無料で自由に使っていいけれど、元の作者の名前(著作権)は必ず明記してねというルールがあります。初期公開時にはこの表記が抜け落ちており、コミュニティから指摘を受けてから慌てて追加するという、後手後手の対応になってしまったことにあります。
というわけで、国産のAIができたんだ!とワクワクしていた人たちからすれば、「え~、なんで最初から言ってくれなかったの?」と悲しくなってしまうのは当然のことだと思います。とりわけ、国からの支援(GENIACプロジェクト)が関わっていたこともあり、より厳しい目が向けられる結果となってしまいました。
今後のAIの動きと、私たちが意識したいこと
今回の件は、企業側にとって大きな教訓となりましたが、それと同時にAI開発の現状を私たちは知ることができたのではないでしょうか。この騒動を踏まえ、今後のAI業界のトレンドと、私たちがAIと付き合っていく上で、意識したいことについてまとめてみました。
- ゼロからの開発よりも。優秀なモデルのカスタマイズが主流になることを知る
- 提案: 今後、企業が完全オリジナルのAIをゼロから作ることは減り、DeepSeekやLlamaといった世界トップクラスの公開モデルを、自社向けに賢くファインチューニングする流れが当たり前になるのではないでしょうか。私たちユーザーも、ゼロから作っているかなどにこだわるのではなく、きちんと使えるのかどうかにフォーカスするのが良いと思います。
- 国産という言葉に縛られず、実用性と透明性を見極める
- 提案: 国産=安心・安全というイメージを持ちたくなるのが日本人なのかなと思ったりしますが、AIの世界では国境がすでに曖昧なのではないかと思うんです。どこで作られたか?という表面的ことよりも、どんなデータを学習させ、セキュリティはどう守られているか?を公開しているサービスを積極的に選ぶようにしましょう。
- 企業の誠実さをサービス選びの基準に加える
- 提案: どれほど素晴らしい技術を使っていても、今回のように少しでも隠し事やルールの軽視があると、一瞬で信頼を失う時代だと思います。私たちがツールを選ぶ際も、スペックだけでなく、その企業がコミュニティやルールに対して誠実な姿勢を持っているか?を評価基準の一つに加えてみたら良いと思います。
- AIの中身を気にする視点を持つ
- 提案: スーパーで食べ物を買うときに材料や産地を気にするように、AIに対しても「このAIの中身は何だろう?」と考える習慣をつけてみましょう。そうすることで、過剰な期待やニュースに惑わされず、より冷静にテクノロジーを活用できるようになります。
まとめ
今回の炎上は、楽天のAIの性能が悪かったという技術的な失敗ではなく、ユーザーやコミュニティとのコミュニケーションの失敗なのではないかと思います。先日、私も期待を込めて紹介ブログを書いていますので、性能云々ではないんですよね「。
ベースとなっているDeepSeek自体は、世界中を驚かせるほどの素晴らしい技術です。企業がもっとオープンに、この素晴らしい技術を土台に、日本向けに最高のアレンジを加えました!と胸を張って言えるようになれば、私たちのAI体験はもっとポジティブでワクワクするものになるはずです。
これからも凄まじいスピードで新しいAIサービスが登場してくると思います。それぞれのツールの良いところと成り立ちなどを知り、上手に付き合っていきたいですね。













