AI検索時代のWebは「人+AI」の両方が利用者になる

これまでWebサイトは、基本的に、人間が読むものとして作られてきました。読みやすい文章、わかりやすいレイアウト、目を引くデザイン——すべては人間の目と行動を前提に設計されてきたと言えます。ですが(おそらくピンとくる人はいると思いますが)ここにきてそれが少しずつ変わりつつあります。

AIエージェントによるアクセスが増えている

8月30日に公開された、企業インフラに関するある記事では、AIエージェントによるアクセスの増加によって、インターネットが人間中心から「マシンファースト」へと変化しつつあるという分析が紹介されていました。

同記事が引用しているFastlyの調査によると、2026年1月から5月にかけて、AI由来のトラフィックが30%増加したとされています。

ここで一つ、注意点があります。この「30%」という数字は、あくまでFastlyが観測したデータを、二次的な記事が引用したものです。Web全体のAIトラフィックが30%増えたという意味ではありませんので、あくまで一つの調査結果として捉えておいてください。

人間とAIエージェントでは「読み方」がまったく違う

Webサイトへのアクセスが増えているのは事実としても、その中身、つまり「誰が」「どうやって」アクセスしているのかが、これまでとは大きく変わってきています。

人間がWebサイトを訪れるときは、基本的に1ページずつ、上から下へと目を通していきます。気になるリンクをクリックし、また別のページに移動する。この一連の流れは、私たちにとってごく自然な行動です。

一方でAIエージェントは、この「1ページずつ」という制約がないわけです。同時に多数のリクエストを実行し、複数のページやデータを一気に取得していきます。人間なら数十分かかるような情報収集も、AIエージェントであれば一瞬で終えてしまうわけです。

この違いは、単なる速さの話にとどまりません。Webサイト側からすると、想定していなかった規模やパターンでのアクセスが発生する、ということも覚えておく必要があります。

これからのWebサイトに求められる3つの視点

こうした流れを踏まえると、これから先、Webサイトを作ったり、運用・運営するうえでは、次の3つの視点を意識する必要が出てきそうです。

  • 人間が読みやすいこと
  • 検索エンジンが理解しやすいこと
  • AIエージェントが情報を取得しやすいこと

これまでは人間が読みやすいことと検索エンジンが理解しやすいことの2つを意識していれば、ある程度は十分でした。いわゆるSEO対策です。

しかし今後は、そこに「AIエージェントが情報を取得しやすいこと」という新しい視点が加わってきます。構造化されたデータ、明確な見出し構成、機械的に読み取りやすい情報設計など、これまでとは少し違った工夫が求められる場面も増えていくはずです。

まとめ

インターネットが人間中心から「マシンファースト」へ完全に切り替わる、というのはやや大げさな表現かもしれませんが、AIエージェントという新しい“利用者”が確実に存在感を増しているのは間違いなさそうです。

まずは「Webサイトの利用者が人間だけではなくなりつつある」という大きな事実というか、流れですね。これを捉えておくことが、これからのWeb戦略を考えるうえでの第一歩になるのではないでしょうか。

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アイ・セプトの社長
株式会社プロトクリエイティブ(現・株式会社プロトコーポレーション)にて、自社メディアをプロデュースするトップアートディレクターを務める。あわせて、新規事業や新会社の立ち上げにも従事。

その後、「お客様に最も近い立場で仕事がしたい」という思いから、クリエイティブの第一線を離れ、異例ともいえる営業職への転身を決意。株式会社ウェブ・ワークス(現・トランスコスモス株式会社)に入社する。

同社では東海圏・関西圏のエリアマネージャーに就任し、福岡・札幌の拠点も兼務。100名超の組織を牽引したほか、人事制度の策定や、業務効率化を掲げた事業再生にも携わった。

2009年7月7日、インターネット戦略支援事業を軸とする株式会社アイ・セプトを設立し、代表取締役社長に就任、現在に至る。2019年に北海道上川郡下川町、2024年に秋田県秋田市へオフィスを開設し、地域課題の解決にも精力的に取り組んでいる。

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経営者、AI導入・DXコンサルタント
GUGA認定 生成AIパスポート 有資格者
総務省の都道府県における市町村支援のデジタル人材に登録
趣味はマラソン、釣り、ライブ観戦