ロート製薬は2025年12月15日、2027年4月入社を目指す大学生・大学院生向け新卒採用で、エントリーシートによる書類選考を廃止し、人事担当者との15分間の対話を最初のステップにする「Entry Meet採用」を導入すると発表しました。 ロート製薬 (参照日:2025年12月22日)
発表された内容
ロート製薬のニュースリリースに記載された変更点は、次のとおりです。
- 対象:2027年4月入社に向けた、大学生・大学院生向け新卒採用
- 変更点:エントリーシートによる書類選考を廃止
- 導入する仕組み:15分間の対話を採用プロセスの第一ステップにする「Entry Meet採用」
- 実施開始:2026年1月16日から
制度の概要
応募開始・応募方法
- 応募開始:2025年12月15日
- 応募方法:採用マイページから必要書類を提出し、Entry Meet枠を予約
※必要書類の具体的な中身が何か(ESを含むのか等)は特定できません。
Entry Meet(一次ステップ)
- 形式:人事担当者との15分の対話
- 服装:私服推奨
- 開催地域:全国8拠点(札幌/仙台/東京/名古屋/金沢/大阪/広島/福岡)
- 期間:2026年1月16日~2月8日
- 対面/オンライン:原則対面。ただし海外大学在籍など物理的に参加困難な場合、オンライン参加も「検討」と記載
公式サイト(Entry Meet特設ページ)には、各拠点の日程(例:大阪 1/16・1/17・2/8 等)が一覧表示されています。
Entry Meet後の流れ
- Entry Meetの後、複数回の面接およびグループワークを経て内定、と記載 ロート製薬
導入の背景・目的←ここからが重要
ニュースリリースには、導入背景として次が明記されています(いずれも同社の説明)。ロート製薬
- 生成AIの普及により、エントリーシートの内容が均質化し、従来の方法では一人ひとりの本質的な個性を十分に捉えきれないと同社が感じていた
- 採用の初期段階で、書類やAI面接での選考が一般化する中で、直接対話を入口に据えたプロセスへ再設計した
- 書類・AI面接による一方向の評価に偏らず、直接対話し、価値観やビジョンを確かめ合うことが双方にとって良い採用活動につながると判断した
- 企業理解が難しくなる場合や、入社後ミスマッチにつながり得るという認識を示している
私が思うこと

生成AIに関わる立場から見ると、ロート製薬が「エントリーシートの内容が生成AIの普及で均質化しやすい」という前提を公式に示して、その入口を“文章”から“短い対話”へと切り替えた点は、時代の急速な流れに対して、正面から向き合った判断だと感じました。
生成AIは、下書き・要約・表現の整形を一気に整えられる一方で、読み手からは「本人の言葉なのか」の見分けが難しくなり、結果としてエントリーシートが整いすぎた似た文章になりがちです。今ではチェッカーなどもありますので、生成AIで作成したかどうか確率的にわかってしまうのです。そうなると、書類で人となりを判断する精度が落ちてしまい、学生側は、それを何とかしようと、正解っぽい文章を競うゲームになってしまいます。
そういう意味で、最初に人と会って相互に確かめるということは、AI時代の採用として筋が通っているのではないかと思います。ただし、対話中心に寄せるほど、公平性(質問の標準化や評価の一貫性、面談枠の確保)や、候補者が不利にならない配慮(地域・事情による参加ハードル)も必要になるかと思います。
生成AIは、人が見るべきポイントを変えてしまうツールになってきていると言っても大げさではないかと思います。今回の例は、その変化を採用プロセスに反映した例として注目していますし、広まっていく可能性もあるのではないでしょうか。














