全国の地方自治体が軽く(ではないか・・)パニックに陥っていることをご存知でしょうか?準備で忙しいとか、そういうレベルではなくて、です。
2月といえば、通常であれば国会で来年度(4月から)の予算を審議する最も重要な時期です。この時期に選挙が行われた(あるいは選挙後の体制構築に時間がかかる)ということは、国から地方へのお金の流れや情報の流れが一時的にストップすることを意味します。
今回は、2月の衆院選後、地方(とりわけ過疎地域や地方都市)にどのような副作用が生じるのか、3つのポイントで解説します。
新しいことが何もできない春
最大の影響は、国の本予算成立の遅れです。 通常、自治体は国の予算決定を見て、「今年は国からこれくらい補助金が出るから、橋を直そう」「新しい保育園を作ろう」と計画を確定させます。
しかし、2月に選挙や政局の混乱があると、3月末までに国の予算が成立しない可能性が高まります。そうなると、国はとりあえず数ヶ月分だけのつなぎ予算である暫定予算を組みます。これに連鎖して、地方自治体も骨格予算しか組めなくなります。
- できること: 公務員の給与支払い、既存施設の維持管理(義務的な経費のみ)
- できないこと: 新規の公共事業、新しい独自政策、インフラ整備の着工
つまり、春になっても「新しい道路の工事が始まらない」「予定していたイベントの予算が下りない」という事態が発生します。これは、公共事業に依存する地方の建設業者や関連産業にとって、死活問題となりかねません。
「地方交付税」が見えない不安

地方自治体、とりわけ財政力の弱い町村にとって、命綱とも言えるのが国から配分される「地方交付税」です。 この金額が確定しないと、自治体は自分たちの財布の中身がわからないまま新年度を迎えることになります。
選挙によって政権の枠組みや担当大臣が変わると、地方への配分方針が微妙に見直されることがあります。「今まで約束されていた補助金は本当に来るのか?」「過疎債(つまり借金)のルールは変わらないか?」という疑心暗鬼が広がり、自治体の財政課職員は胃の痛い日々を過ごすことになります。
「パイプ役」の消失と再構築
地方選出の代議士(つまり国会議員)は、地方自治体にとって国への陳情窓口です。 選挙の結果、長年地域の要望を国に届けていたベテラン議員が落選したり、引退したりした場合はどうなってしまうかと言えば、その「パイプ」が突然切断されてしまうのです。
新しく当選した議員が新人や野党議員であった場合はどうなるか。自治体の首長(つまり、市長や村長)は、またゼロから人間関係を構築し、地域の事情を説明して回らなければなりません。 とりわけ、これから予算を分捕り合戦しなければならない時期に頼れる相談相手がいないという状況は、地方にとって大きな痛手なのです。
選挙が終わった瞬間から混乱
選挙が終わると、私たちは選挙結果が出たということで終わりです。しかし、行政の現場にとっては、選挙が終わった瞬間、混乱をいかにして収めるかが重要となるので、始まりなわけです。
あなたの住む町で、前々から「4月から〇〇のサービスが始まります」「◇◇支援策を実行します」と聞いていたことが、予算決定の遅れを理由に延期されたり、縮小されたりするかもしれません。
選挙の熱狂が去った後は、地方自治の真価が問われています・・・と書くと、完全に他人事になってしまいますが、これからの数ヶ月は、地元の議会だよりや広報誌を、いつもより注意深く読んでみると、多少はその様子が掴めるかもしれませんね。













