クマ出没の今、守る情報インフラ

秋から冬にかけて、各地でクマの目撃と被害が続いています。2025年9月には「緊急銃猟(市街地での条件付き発砲)」の運用が始まり、自治体の判断がこれまで以上に重くなりました。私たちが提供する『アニマルアラート』は、その判断を「住民に届く情報」に変えるための土台となっています。

最新の動き

制度面の変化:2025年9月1日から「緊急銃猟」制度が始まりました。これは、市街地(人の生活圏)に出没したクマ等に対し、一定条件を満たせば自治体の判断で発砲・駆除が可能になる運用です(条件=人身被害の恐れが高い、周辺の安全が確保できる等)。

被害と出没の現状:環境省の最新ページでは、死亡事故件数の推移や実施状況を随時更新。同時に、出没・人身被害・捕獲数の速報値が整理され、自治体の計画立案に必要な素材がまとまっています。加えて、秋の堅果不作や廃棄物由来の誘引などが、学校・住宅地・観光地へクマが降りる背景になっています。

現場の悩み:運用開始に伴い、ハンターの安全・責任範囲、保険、指揮系統など、自治体の実務負担が増しています。「正確な位置・時間・状況の即時共有」が、誤報・過剰反応・二次被害を防ぐ鍵です。

技術と効果

技術面の要点

  • 地図で可視化:場所(どこで)と時刻(いつ)が直感的にわかれば、通学路の迂回・イベント中止・パトロール重点化が即決できます。
  • モバイル運用:現地からスマホで登録・更新できれば、庁舎に戻るロスがなく、10分単位の状況変化を住民に届けられます。
  • 多チャネル連携:Webの地図画面に加え、X(旧Twitter)やLINEとの連動で、フォロー+通知ONの住民・観光客へ即座にプッシュ相当の伝達が可能になります。
  • ログと分析目撃種別/痕跡/逃走方向などのフィールドを標準化して蓄積すれば、季節・時間帯・地点ごとの傾向が読み取れ、見回りや看板設置の最適化に直結します。

生活・業務への具体効果

  • 学校・保育園:登下校の通達ルート変更や集合時刻の調整を迷いなく判断。保護者への説明根拠も地図で共有。
  • 観光・イベント:人流の切り替え(迂回ルートや一時閉鎖)を地図リンクで案内。風評被害を抑え、安全を前提にした継続が可能。
  • 産業(林業・農業):作業時間帯やエリアの危険度を見える化。被害の未然防止と保険・労務管理の合理化に貢献。

情報が届くまでのタイムラグは重要

弊社が名古屋本社に加え、北海道下川町で地域づくりに携わる中で痛感したのは、「情報が届くまでのタイムラグ」こそが最大のリスクだということです。制度(緊急銃猟)が整備されても、住民が回避行動を取れるかは別問題。“誰もが見慣れた地図で、今・ここ・何が”を一目で把握できる仕組みが、まず必要だと思います。

『アニマルアラート』は、

  • Googleマップ上に目撃情報を一覧表示し、アイコンタップで詳細(日時、種別、逃走方向、写真等)を確認。
  • スマホ最適化の管理画面から現地で即更新
  • XやLINEなどとの情報連動通知を採りやすく(フォロー+通知ONの住民に即時伝達)。
  • クマ/サル/シカ/イノシシなど複数種に対応し、出没データを資産化

現場での小さな“遅れ”を詰めていくと、大きな被害を防げる。情報の流れをスムーズかつスピーディーに整えることが、私たちの役割です。制度が整った今こそ、「正しい情報が、正しく届く」が最重要です。各自治体には地域の安全運用を前に進めていただけたらと思います。

アニマルアラート特設ページ

野生動物からの被害を未然に防ぐため、目撃・痕跡情報をわかりやすく掲載し、住民・観光客などに向けて注意喚起する『アニマルアラート』の導入を、自治体様向けに募集しています。
⇒『アニマルアラート』の詳細はこちら

ABOUT US
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アイ・セプトの社長
株式会社プロトクリエイティブ(現 株式会社プロトコーポレーション)で、雑誌やWebサイト、広告などをアートディレクターとしてプロデュース。のちに、お客様の一番近くで仕事をしたいと考え、営業職にジョブチェンジ。
転職先の株式会社ウェブ・ワークス(現 トランス・コスモス株式会社)では、新事業の草分けとしてプロジェクトマネージャーとなり、のちに東海圏と関西圏にある複数拠点をマネジメントするエリアマネージャーと、福岡・札幌圏のアドバイザーを担う。そのほか、人事制度の策定や事業再生にも従事。

2009年7月7日『株式会社アイ・セプト』を設立、代表取締役社長に就任。2019年には北海道上川郡下川町にオフィス、2024年には秋田県秋田市に秋田オフィスを開設し、地域課題の解決に向けて精力的に活動中。