ローソンの「クマ対策」が示す新常識

今年は各地でクマの目撃が増え、店や住宅の近くがニュースになることも。ローソンが10月末、「店舗のクマ対策」を正式に公表しました。現場の安全確保をどう仕組みに落とすのか、そんな話を書いていきます。

三つの段階分け

出没情報の収集(自治体発信の情報をチェック)

寄せ付けない対策(ゴミ置き場の清掃強化、出没時はゴミ箱を店内保管など)

出没時の対応(自動ドアを手動に切替、状況により時短や休業)
さらに、出没エリアの約100店舗に撃退スプレーを配布。低周波発生装置の設置、鈴・ホイッスル・光る防犯アラームの携帯も検討事項として挙げられています。運用マニュアルを「お店を守るガイドブック」に追記し、現場の判断を支える型にしているのが特徴です。

どんな効果が期待できるか?

技術面・店舗運営

  • 設備・機器:自動ドアの手動切替はシンプルですが即効性が高いと思います。低周波装置は寄せ付けない層の上乗せで、多層防御になります。FNNプライムオンライン
  • 清掃と廃棄物管理:匂い対策が中心。ゴミ置き場の清掃や店内保管は、夜間の誘因を減らす実務解。これは野生動物全般に効く基本。流通ニュース
  • 装備と教育:撃退スプレーの配布は最後の盾。扱い方の教育と保管ルールが肝心。ホイッスル等の携帯は「注意喚起・距離確保」の行動指針を定着させる。FNNプライムオンライン+1

仕事や生活への具体的影響

  • 来店行動:一部エリアで時短・臨時休業が増える可能性。店舗選択・買い物時間の分散が必要になるかもしれません。下野新聞デジタル
  • 住民協力:家庭ゴミの持ち込み防止のポスターなどは、地域一体のルール作り。店だけでは守り切れないので、住民側のマナーが成果を左右します。下野新聞デジタル
  • 業界波及:コンビニの標準対応が固まると、ドラッグストアや24時間施設、観光地の売店などにも広がるはず。

安全の標準化が急がれている

この発表は安全の標準化を宣言するものだと思いました。AIとかカメラとかそういうことではなく、自動ドアの手動切替やゴミの店内保管などは、コストを抑えつつ“再現性の高い対策”で関心が持てました
もう一点はお客様コミュニケーション。店頭の貼り紙だけでなく、アプリの“地域お知らせ”で買い物時間の分散やゴミ持ち込み防止をやんわり促す。過度に怖がらせず、共に守るメッセージを送ることって大切ですよね。
最後に、撃退スプレーは最終手段だと思います。練習したほうがいいでしょう。よくある消防訓練のような形式が現実的だと感じます。lawson.co.jp+1

※本文中の事実は、ローソン公式発表(2025年10月31日)および主要メディア報道(同日〜11月1日)を基に作成しました。引用は各段落末のリンク参照。

野生動物からの被害を未然に防ぐため、目撃・痕跡情報をわかりやすく掲載し、住民・観光客などに向けて注意喚起する『アニマルアラート』の導入を、自治体様向けに募集しています。
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アイ・セプトの社長
株式会社プロトクリエイティブ(現 株式会社プロトコーポレーション)で、雑誌やWebサイト、広告などをアートディレクターとしてプロデュース。のちに、お客様の一番近くで仕事をしたいと考え、営業職にジョブチェンジ。
転職先の株式会社ウェブ・ワークス(現 トランス・コスモス株式会社)では、新事業の草分けとしてプロジェクトマネージャーとなり、のちに東海圏と関西圏にある複数拠点をマネジメントするエリアマネージャーと、福岡・札幌圏のアドバイザーを担う。そのほか、人事制度の策定や事業再生にも従事。

2009年7月7日『株式会社アイ・セプト』を設立、代表取締役社長に就任。2019年には北海道上川郡下川町にオフィス、2024年には秋田県秋田市に秋田オフィスを開設し、地域課題の解決に向けて精力的に活動中。